2003年7月26日
岩田暁美さん 安らかにお休みください‥
“岩田暁美さん死去”というショッキングなニュースが、一昨日、友人からメールで知らせが来た。

24日午前6時35分、心不全のため東京・港区の病院で亡くなられた。

そう、ご存知の方も多いと思うが長嶋監督のいつも隣にいた色の黒い女性レポーターである。
正確な紹介をすると元ラジオ日本スポーツキャスターということになる。

簡単に経歴を紹介しよう。
岩田暁美さん(いわたあけみ)1961年横浜生まれ。東海大学教養学部芸術学科卒業(ヴィオラ専攻)。高校在学中(3年生)に横浜スタジアムのマスコットガールをつとめる。大学在学中、ラジオたんぱのベンチレポーターに。卒業後、ラジオ日本に勤務。ロッテ、日本ハム、ダイエー、ヤクルト等の担当を経て、1994年の日本シリーズより長嶋番。

そして、長嶋監督にこの日本シリーズ前に、長嶋監督にバイオリン演奏をプレゼントをしたというエピソードもある。

長嶋さんもさぞかし、ショックを受けられているだろう。

とにも、彼女はまだ若い。無念であったと思う。あれだけバイタリティーのある方は滅多にいない。

小生、日本人は女性のほうが生産性(一部、体力のみのものは除くが)や、知的能力は男性より数段上と思っている。

そんな、裏づけが感じられる女性でもあった。

哀悼の意を表すとともに、以下に彼女が執筆した“となりのチョーさん”のあとがきを紹介しよう。









































残念ではあるが、待っていてくれなかったのは、彼女自身であった。
世界一、長嶋さんを愛した岩田さん。安らかにお休みください。

今日は、彼女の著書“となりのチョーさん”をゆっくり、再度読みながら、祈りを捧げたい。

   ご冥福をお祈りいたします









ラジオなのに、「いつも見てるヨ」と、知らない人から声を掛けられる。岩田暁美という立派な名前があるのに「長嶋サンのとなりにいつもいる、色の黒い、髪の茶色い太った女」と形容される。昔と何一つ生活は変わってないのに、両親が「有名人の娘が稼いでんだから、もっと賛沢しなさいヨ」とイヤミを言われる。私のしていることは、どうやら世問ではすごいコトのようである。冬の多摩川に朝の5時から立ち続け、来るアテのない人を待ち、実はトイレに行ってる間に逃がしたり、やっと見つけた標的を追いかけようにもタクシーがつかまらず、知らないニイちゃんの車にヒッチハイクしたり、所持金がソコをつき、サウナに泊まったのに、夜中の2時に追い出され、始発電車が動くまでコンビニ巡りしたり…。30も半ばを過ぎて、こんな情けない生活してる女、他にいるか?・いないだろ〜。電車の中で、いきなり頭を殴られた晩もある。
「オメーみたいなブスがチョロチョロしてるから、巨人が勝てねえんだヨ」何も悪いコトしていないのに。「ババア、見苦しいからナガシマの横を歩くな。この目立ちたがり!」と、抗議のファックスを数十メートル、会社あてに送りつけられた夜もある。羽田空港のトイレで歯みがきも出来ない。立ち食いソバ屋にも入れない。落ちてるお金も拾えない。デートも!?ままならない。不満を言えばキリがないのに、辞める決心がつかないのは、あの人の近くに寄るだけで、あの人の匂いをかぐだけで、あの人の声を聞くだけで、胸が弾むから。南の島でのバカンスも、彼との待ち合わせも、友達との飲み会も、全部キャンセルさせて、あの人を追い求めてしまう。クセになるナニかを、あの人は発散しているのだ。だから、あの人の近くにいたくなる。取材したくなる。周りの男性記者さん、ゴメンなさい。私の体がデカくて頑丈なばかりに、定位置を目指すと何人か、弾き飛ばされますネ。お父さん、お母さん、ゴメンなさい。親孝行したい気持ちは山々だけど、一緒にゆっくりご飯を食べるヒマもありませんネ。会社の皆さん、ゴメンナサイ。
会議は出なくちゃいけない義務があるのに、神出鬼没王の取材で、いつも休んでばかりですネ。G党の皆さん、ゴメンナサイ。一昨年、折角、巨人が開幕5連勝しながら、私のマヌケな「これなら135勝しちゃいそうですネ」という監督への質問で、一気にチームは下り坂をころげ落ちましたネ。渡辺オーナー、ゴメンナサイ。監督の原稿を書いていると、時々とてつもないフロント批判になることも、しばしばでしたネ。全部、私が悪いのです。気がつけば、幾つのクツを駄目にしただろう。活動家のあの人に引っ張られるように、歩いて走って足の裏はマメだらけ。顔だってシミだらけ。近頃は、白髪も随分、増えてきた。それでも、辞められないのは、中毒だからだ。あの人がユニフォームを着て、大好きな野球にたずさわって、多くのファンに夢を与える瞬問に立ちあっていたいのだ。一体、いつまで、こんな生活が続くのだろう。結婚もしたい。子供も生みたい。だけど。てなことを考えているうちに、あ!あの人が、アッチヘ行っちゃう。「監督-。待ってくださ-い」